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夏の昼下がり、街中の美容院に予約して足を運んだ。外は強い日差しでアスファルトが熱を帯び、店内に入った瞬間、冷房の効いた空気が肌に触れて少しほっとした。シャンプー台は奥の個室スペースに二台並んでいて、大きな鏡と白いカーテンで区切られている。俺はマサル、IT企業の企画担当として毎日デスクに向かう生活が続いていたが、久しぶりの髪のカットでこの店を選んだ。白いシャツに黒のパンツという何の変哲もない服装で、店内の明るい照明の下、待合ソファに腰掛けた。
やがて担当のスタイリストが姿を現した。チサトと呼ばれる女性で、黒いエプロン姿。胸元がやや強調されたデザインで、歩くたびに柔らかい膨らみが揺れるのが視界に入る。第一印象は、笑顔が柔らかくて顧客を安心させるタイプ。長い髪を後ろでまとめ、首筋に薄い汗の光沢が見えた。夏の午後という時間帯だけあって、店内は女性客が二人ほどすでに行き来していて、ドライヤーの音や軽い笑い声が聞こえてくる。
「マサルさん、よろしくお願いしますね。こちらのシャンプー台へどうぞ」とチサトが呼びかけた。声は明るくて少し高め。俺は座席に移動し、後頭部を台のくぼみに預けた。頭を少し起こすと、天井の照明が目に入る。チサトは蛇口をひねり、お湯の温度を掌で確かめながら「熱すぎませんか?」と尋ねてきた。指先が首筋にかすかに触れ、指の腹の感触が伝わる。香りのするシャンプーのボトルを手に取り、指を絡めて髪に泡立てていく動作が始まった。
最初は普通の洗髪だった。指が頭皮を押す感触、温かいお湯が流れる音、柔らかいバスタオルで拭かれる感触。だが、チサトの体が徐々に近づいてくる。エプロン越しに胸の重みが背中側に当たる位置になり、布越しに柔らかい感触と体温が伝わってきた。店内はカーテンで仕切られているとはいえ、他の客の話し声が近くに聞こえる。ドライヤーの音が一定のリズムを刻み、誰かが笑う声が漏れる。チサトは「もう少し楽な姿勢にしましょうか」と言いながら、自身の腰を少しずらして俺の肩に寄りかかるような体制になった。息遣いが耳の近くで聞こえ、甘い香りのするボディーローションの匂いが混じる。
会話が始まった。「最近忙しいんですか? 髪の毛が少しパサついてますよ」とチサトが言った。俺は「残業続きで…」と返した。するとチサトの手の動きが変わり、洗髪しながらも首筋から肩へ指が滑る。指圧のような圧力が加わり、痛気持ちいい感覚が広がった。密着度が増し、チサトの胸の柔らかい部分が背中にしっかり押し当てられる。布一枚隔てた向こう側の感触、胸の形がぼんやりと伝わる。心拍が上がる音が自分でも聞こえる気がした。店のBGMが流れる中、他の客の足音やカットするハサミの音が遠くでする。
チサトは「マサルさん、目をつぶってリラックスしてください」と囁いた。声が低めになり、吐息がかかる。指が耳の後ろをなぞる仕草が出てきて、首筋に唇が触れそうな距離まで近づいた。抵抗するべきだと頭ではわかっていながら、身体が動かない。店内という場所、昼間の明るさ、他の客がいるという事実が、緊張を高めていく。チサトのエプロンから甘い匂いと同時に、女性特有の体温が伝わってくる。指がシャンプー泡を流しながら、徐々に喉元へ、手が滑る位置へ移動していく。会話は途切れず、「このくらいの力で大丈夫ですか?」と尋ねられ、俺は小さく「はい」と返しただけだった。
密着がさらに強くなり、チサトの体が俺の横に回り込む。シャンプー台の角度で、彼女の膝が脚の間に少し入る。店内の空気は冷房で冷たいのに、接触部だけ熱がこもる。心臓の音が大きくなり、呼吸を整えようとしても、チサトの指が顎を持ち上げる仕草で目が合う。チサトの視線が少し熱を帯びていて、「ここで…」という空気が漂う。カーテンの隙間から、別の客が通る足音が聞こえた。その瞬間にチサトの手が下へ伸び、ズボンのファスナーに触れた。指先の感触がはっきりとわかる。店内のBGMと他の客の声が混ざり、俺は息を殺して声を抑えた。
行為は徐々に進み、チサトが体を折り曲げて顔を近づける。温かい息が当たる感触、髪の香り、唇が触れた瞬間。口内の湿った感触と舌の動き。五感すべてが鋭くなる。味覚はほとんどなく、触覚と聴覚が主。チサトの細かい吐息や、店内の音を聞き分ける緊張。周囲の足音が近づくたびに身体が強張り、快感と不安が同時に走る。手で口元を覆い、声を漏らさないようにする。チサトの動きはリズミカルで、時折目線を上げて俺の反応を確認するような仕草。汗が額に浮き、冷房の風で冷える。行為が続く中で、チサトが時折小声で「大丈夫ですか…?」と確認し、俺は頷くだけだった。
クライマックスが近づくと、周囲の音が遠のいたように感じる。チサトの指が脚を軽く押さえ、動きが速くなる。身体の奥底から熱が上昇し、抑えきれない感覚が爆発する。その瞬間、店内の他の客の笑い声が重なって聞こえ、俺は歯を食いしばって声を殺した。チサトは最後まで動きを止めず、すべてを受け止める。終わった後、彼女は素早く体を起こし、普通のスタイリストの表情に戻って「シャンプー終わりましたよ」と明るく言った。心臓の鼓動がまだ激しく、足元が少しふらつく。
余韻の中で、チサトはタオルで顔を拭きながら「またのご来店お待ちしてますね」と微笑んだ。俺は小さく会釈し、店を出た。外の暑い空気が体にまとわりつき、さっきまでの密室の感触がまだ残っている。心臓の音と、店内の匂い、接触の記憶が混ざり、帰りの道中で何度も振り返った。






















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