冬の昼下がり、地方の小さな温泉町に着いた俺は、連休の疲れを癒そうとこの古びた旅館を選んでいた。雪のちらつく街路を抜け、木造の建物に入ると、館内はしっとりとした湿気と硫黄の匂いが漂っていた。チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いた後、貸切風呂の予約票を確認した。午後一時から二時までの枠が空いていたので、早速向かうことにした。
貸切風呂の入口に着くと、すでに誰かが中に入っているようだった。ドアの向こうから湯気の立つ気配と、ほのかな石鹸の香りが漏れてくる。少し迷ったが、予約票に記された時間は合っている。そっとノックすると、内側から女性の声がした。
「どうぞ、入ってください。まだ湯船は一人で広々していますよ」
声は落ち着いていて、どこか教育者らしい明晰さがあった。ドアを開けると、湯船の中で背中を向けていた女性の姿が見えた。黒髪をアップにまとめ、襟足が露わになっている。肌は白く、湯に濡れて艶やかだ。彼女の体はかなり豊満で、湯船の縁に置かれたタオル越しに見える肩や背中のラインが、柔らかく丸みを帯びていた。
「すみません、予約が重なってしまったみたいで」と俺は頭を下げた。女性はゆっくりと振り向き、穏やかな笑みを浮かべた。
「アヤコです。予備校で現代文を教えています。今日は一人で来て、ちょっと贅沢をしようと思って。あなたは?」
「タツヤです。仕事の疲れを癒しに来ました。冬の温泉は最高ですよね」
彼女は三十歳くらいに見えた。眼鏡を外した顔立ちは知的な印象で、唇の形が柔らかく、目元に少し疲れのような色があったが、それが逆に色気を帯びさせていた。第一印象として、清楚でありながら、隠し切れない肉感的な体躯が目についた。冬の外気で冷えていた体が、湯船のぬるいお湯に沈んでいく感覚を、俺はすぐに味わった。
湯船はかなり広かったが、二人で入ると自然と距離が縮まる。湯の温度は42度くらいで、芯から体が温まっていく。最初は互いに背中を向け合い、湯に浸かるだけだった。木の壁から聞こえる外の雪の音、湯船の縁を伝う水滴の音、そして彼女のゆったりとした息遣いが、静かな空間を埋めていた。
しばらく沈黙が続いた後、アヤコが口を開いた。
「タツヤさんは、よくこんな地方の旅館に来るんですか? 都会の温泉だと人が多いでしょう?」
「はい、混雑が苦手なので。今日は偶然タイミングが良かったみたいです。予備校の先生って、いつも生徒と接していて大変そうですね」
「生徒の答案を見ていると、言葉の力が本当に大事だと痛感します。でも、たまにこうして一人で湯船に浸かっていると、頭がクリアになるんですよ……」
会話を続けながら、彼女は少しずつ体を動かした。狭い湯船の中で、彼女の膝が俺の太ももに軽く触れた。最初は偶然かと思ったが、次第にその接触が意図的であることに気づいた。アヤコの視線が、湯の向こうで俺の体をじっと見つめているような気がした。
「このお湯、いい感じにぬるくて長く浸かれますね。肌がしっとりして」
彼女が体を少しずらした瞬間、柔らかな感触が俺の腕に押しつけられた。巨乳の膨らみが、湯の中でゆっくりと俺の胸や腹に当たった。濡れた肌同士が密着し、熱い湯の感触と彼女の体温が混ざり合う。彼女の肌は滑らかで、温泉の成分で少しぬるぬるとした感触があった。匂いは石鹸と女の人の甘い体臭が混じったものだった。
「タツヤさん、こんなに近くて大丈夫ですか?」
アヤコの声が少し低くなった。彼女は積極的に体を寄せてきた。巨乳が俺の胸に押しつけられ、柔らかく変形する感触が鮮明に伝わってくる。呼吸が熱く、彼女の吐息が耳元に届いた。
「アヤコさん……」
「いいんです。今日はお互い、欲求を抑えなくていい場所だと思いますから」
会話はそこで変わった。彼女はゆっくりと手を伸ばし、俺の腰に指を絡めてきた。湯の中で、指先が肌を滑る感触。次第にその手が下へ向かい、俺の下半身を優しく包み込んだ。指がゆっくりと動き始め、刺激が強くなっていく。
アヤコは俺の腰をしっかり掴み、湯船の中で体を固定するようにしながら、手の動きを加速させた。彼女の巨乳は俺の体にぴったりと密着したまま、上下に揺れ、湯を弾いている。水面が波立ち、音が大きくなった。
「もっと、力を込めて……タツヤさんの感じているところ、ちゃんとわかりますよ」
彼女の手は巧みだった。指の腹で根元から先端までを包み込み、ゆっくりと握りしめては緩める動作を繰り返す。湯の浮力も手伝って、刺激が全身に広がっていく。息が荒くなり、アヤコの吐息も熱を帯びてきた。
「熱い……湯船の中でこんなこと、初めてです」
「私も……でも、冬の昼間に、こんな貸切で出会えたのが不思議で」
手の動きは激しくなり、彼女の巨乳が俺の腹に強く押しつけられる。肌がこすれ合う感触、乳首の硬くなった部分が当たる感触、水音、息遣い、すべてが混ざり合った。五感が同時に刺激され、頭の中が真っ白になっていく。
彼女は腰を掴んだ手をさらに強く握り、ペースを上げた。湯船の中で体が小刻みに震え、俺は彼女の肩に手を置いて、かろうじて体を支えた。
クライマックスが近づくにつれ、アヤコの動きはさらに大胆になった。彼女の声が少し震えながら囁く。
「もう、限界ですか? いいんですよ、ここで全部出して」
最後の刺激で、俺は体を弓なりに反らした。熱いものが噴き出し、湯の中に溶けていく。アヤコは手を緩めず、最後まで優しく包み込んでくれた。
行為が終わった後、二人はしばらく湯船に残った。湯は少し白く濁り、互いの体はまだ密着したままだった。アヤコが静かに笑った。
「こんな昼間に、思いがけないことになりましたね。タツヤさん、ゆっくり湯冷ましをしてから、部屋に戻りましょう」
別れ際、彼女は名刺を一枚渡した。予備校の連絡先が記されている。
「また、どこかで会えるといいですね」
雪の降る外に出ると、湯船の中で味わった感触が、肌に残っていた。






















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