新居に引っ越してから三週間が経った秋の夜だった。外はすっかり冷え込んでいて、マンションの廊下を歩く度に足元から冷気が這い上がってくる。
高層階にある自分の部屋から、深夜の設備点検の連絡が入ったのは十一時を回った頃だ。管理会社からのメールには「機械室の排気ファンに異常が確認されたため、居住者の方の立ち会いをお願いします」とあった。
新しい部屋で初めてのトラブルだと思い、仕方なく部屋着のままエレベーターで下りた。着ていたのは薄手のトレーナーとジョガーパンツ。
外履きのスリッパを履いて、十四階の廊下を歩く。 案内された機械室は、普段立ち入らない裏動線にあった。
ドアを開けると、コンクリートの壁と低温の鉄の匂いが鼻に付く。オレンジ色の非常灯が薄暗くともり、湿った空気が澱んでいた。
その中に一人の女性がいた。彼女が振り向いた瞬間、息が詰まるような視覚の衝撃を受けた。
管理人サエコは豊満な胸がトレーナーの生地を押し上げ、腰の位置まで届きそうなほどのボリュームだった。身長は俺より少し低めだが、制服のシャツが胸の曲線で張りつめ、ボタンが今にもはじけそうに見えた。
秋の夜とはいえ、彼女の首筋にはうっすら汗が浮いていた。 「お待たせしました。
サエコです。新しい住民の方ですね。
深夜にすみません」 彼女の声は低く柔らかく、機械室のモーター音に混じって耳に残った。俺は「いえ、こちらこそ」と頭を下げ、点検メモを受け取った。
ファン制御盤の前でサエコがしゃがみ込むと、そばに立つ俺の視線はどうしても彼女の背中のラインと胸元に吸い寄せられた。密室の湿度と、彼女の体温が混ざった甘い香りが漂ってくる。
点検を始めるべく、俺は彼女の隣に並んだ。狭い機械室の通路幅は一メートルほどしかなく、肩が触れ合う距離だった。
サエコが制御盤を開け、電圧計を差し込む動作で体が前傾するたび、彼女の胸が俺の肘にふわりと寄り添う。柔らかく、熱を持った感触がトレーナーの上から伝わってきた。
最初は偶然かと思った。だが、二度、三度と繰り返される度に、密着時間はわずかに長くなっていった。
「ここ、最近調子悪いみたいなんですよね。ファン回転数が不安定で」 サエコはそう言いながら、俺の方へ顔を向けた。
目が合うと彼女は小さく微笑み、胸を少し持ち上げるように体勢を変えた。すると今度は彼女の肩が俺の胸に近づき、豊満な膨らみが直接肘の内側に押しつけられる形になった。
柔らかさが布越しに波打つように伝わり、俺の体温が一気に上がるのを感じた。秋の夜特有の乾いた空気とは裏腹に、機械室の中は湿り気を帯び始めていた。
「この辺の配線、確認してもらえますか。」 彼女が俺に手渡した工具袋を受け取ろうとしたとき、サエコの指が俺の手に重なり、胸がさらに強く密着した。
震えるような感触と、彼女の吐息が耳元に届く。香水の匂いではなく、女性の汗と体温が混じった生々しい匂いだった。
俺は会話を続けることで動揺を隠そうとした。 「引っ越してきてまだ慣れないんですけど、こういうトラブルはよくあるんですか。
」 「そうですね。高層だと空調の負荷が大きいので、特に秋の夜は点検が増えます。
夜中だと居住者さんも少ないから、二人きりになりやすいんですよ」 言葉の最後に、彼女の声が少し低くなった。胸の圧迫がさらに強まり、俺は意識的に体を引こうとしたが、狭い通路では避けられない。
サエコは計器の数値を読み上げながら、時折こちらを見て微笑む。その目には好奇と積極性が混ざっていた。
胸の感触はますます鮮明になり、彼女の体温が俺の腕を通じて胸まで染み込んでくるようだった。 点検が一通り終わった頃、サエコは立ち上がって汗を拭いた。
胸が大きく上下し、シャツの生地が張りつめているのがはっきりとわかった。廊下へ移動する際、彼女は「もう少し上層の設備も見ておきましょう」と言い、俺を先導した。
夜の廊下は照明が落ちていて、足音がコンクリートに反響する。彼女の後ろ姿は、歩くたびに胸が揺れ、腰がくねるのが視界に入った。
俺はそれをわざと見ないようにしたが、距離が近づくたびに体が熱を帯びる。 「ここ、ちょっと狭いので気をつけてくださいね」 サエコが振り返って言った瞬間、彼女は足を止めて体を寄せてきた。
エレベーターシャフト横の狭い通路で、またしても胸が俺の上腕に密着する。秋の夜の冷たい空気とは対照的に、彼女の体は熱く、明るい照明の下でシャツに浮かぶ胸の影が濃かった。
俺は息を詰めて距離を保とうとしたが、サエコはわざと体をずらして接触を維持する。彼女の吐息が聞こえ、鼓動が早いのが伝わってきた。
「新居、快適ですか。」 「ええ、まあ……」 「夜中にこうして会えるのも、偶然ですね」 会話しながら、サエコはさらに体を寄せ、胸の柔肉が俺の腕に包み込むように当たるようになる。
温度、弾力、汗の匂い、全てが鮮烈だった。点検の道具を置いた手が、彼女の腰に触れそうな距離になった。
廊下の静けさの中で、彼女の鼓動と俺のものが重なり合う音がした気がした。サエコの瞳が少し湿り、積極的に視線を絡めてくる。
密着の時間が長くなり、話す声が次第に低く甘くなるのを、俺は止められなかった



















































