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春の夕方、大学付属図書館の返却カウンターに本を置いたとき、俺はミホの姿を初めてしっかり目にした。白いブラウスに紺のタイトスカートという、図書館司書らしい控えめな服装なのに、胸元が豊かに張り出していて視線を奪われた。柔らかそうな膨らみがブラウスに沿って自然に形作られ、ボタンのあたりが少し引っ張られているのが目についた。長い黒髪を後ろで束ね、眼鏡をかけていて、なんだか落ち着いた大人の雰囲気が出ていた。彼女が「いらっしゃいませ、返却ですね」と微笑みながら本を受け取ったとき、柔らかい声が耳に心地よく響いた。あの瞬間、ただの図書館通いが少しずつ変わっていく予感がした。
それから二、三日おきに足を運ぶうちに、ミホと少しずつ言葉を交わすようになった。俺は大学院の資料を探しにやってくることが多く、「またこの本ですか? 政治経済のゼミで使っているんですか」とミホが聞いてくる。俺は「そうです、論文用に集めてるんです」と答え、返事をするたびに彼女の表情が少し柔らかくなるのがわかった。春の光が窓から差し込むカウンターで、彼女の白い指が本の背表紙をなぞる仕草が印象的だった。五感の中で特に視覚と聴覚が刺激される。ミホの胸の存在感は大きくて、カウンター越しでも自然と目に入ってくる。スカートに包まれた腰のラインも、静かな図書館の中にふさわしい柔らかな曲線を描いていた。
「今日も遅くまで残るんですか」とある日、ミホが小声で訊いてきた。閉館時間が近づく中、俺は「あと少し調べたい資料があるので」と答えた。彼女は少し迷ったような目で周りを見回し、「書庫の奥にまだ整理してない資料があるんですが、よかったら一緒に探しませんか」と提案した。その誘いに胸が鳴った。妻帯者であるという事実は、最初から知っていた。カウンターの奥に置かれた写真に、結婚指輪をはめた手が写っていたからだ。それが逆に背徳的な興奮を呼び起こした。静かな館内で、誰にも邪魔されずにミホと二人きりになる想像が膨らんだ。
図書館が閉館した後、ミホは俺を連れて書庫奥の通路を進んだ。薄暗い照明が点いているだけで、足音が反響する。春特有のひんやりとした空気が肌に触れ、木の棚から漂う古い本の匂いが鼻をくすぐった。ミホは「ここはあまり人が来ないので」と小声で言いながら、先に立って歩く。彼女の後ろ姿が揺れ、豊満な胸の動きがスカートの動きと連動しているのが、横目で見えた。心拍が上がり、喉が乾く。彼女はふと振り返って「マサルさん、奥まで大丈夫ですか」と訊いた。俺は「平気です」と答えながら、ミホの首筋から漂う微かな香水の香りを嗅いだ。甘く柔らかい匂いが、閉鎖された空間をさらに密室のように感じさせた。
書庫の最も奥まった場所に着くと、ミホは振り返って俺を見つめた。眼鏡の奥の瞳が少し潤んでいて、「ここなら……大丈夫だと思います」と囁いた。彼女の声は抑えられていて、館全体の静けさがそれを強調していた。ミホが一歩近づき、白いブラウスに包まれた胸が俺の胸に軽く押し当てられる。柔らかくて温かい感触が通り、息が詰まった。彼女は「ごめんなさい、こんなふうに……でも、ずっと気になってたんです」と、震えた声で言った。結婚しているという事実が頭をよぎり、罪悪感と興奮が同時に体を駆け巡った。俺は「ミホさん……」と名前を呼んだ。ミホは小さく微笑み、「マサルさんのその視線、すごく熱くて……」と続けた。
彼女の指が俺の胸に触れ、ゆっくり滑る。両手で俺の顔を抱くように引き寄せ、唇が重なった。最初は柔らかくてためらうようなキスだったが、すぐに熱を帯び、舌が絡み合った。ミホの舌は滑らかで、俺の口内を丁寧に探る。甘い唾液の味が広がり、鼻腔に彼女の吐息が直接入ってくる。耳元で抑えられた吐息が聞こえ、彼女の胸が俺の体に強く押しつけられた。ブラウス越しでも、豊満なボリュームと柔らかさが伝わってくる。指先で背中を撫でる彼女の手の感触も、布越しに温かい。館内はほとんど無音で、二人だけの息遣いと、微かな布ずれの音だけが響いた。
ミホが膝をつき、俺のベルトに手をかけた。「ここで、いいですか」と確認するように上目遣いに見上げてくる。俺は頷き、彼女の指がジッパーを下ろす音が静かに響いた。熱くなった部分が解放され、ミホの温かい掌に包まれる。その直後、柔らかい唇が先端に触れた。舌の感触がゆっくり這い上がり、唾液で濡れた温かさが包み込む。彼女の動きは急がず、丁寧で、舌を大きく使って舐め回す。時折、喉の奥まで含むような深い動きに、俺は歯を食いしばって声を抑えた。館の静けさの中で、ミホの吐息と粘膜の音が異様に大きく聞こえる。彼女の頭の動きに合わせて、豊かな胸が上下に揺れ、ブラウスが張りつめているのが視界に入った。
背徳感がさらに興奮を高めた。夫がいるのに、こんな場所で俺のものを咥えているという事実が、頭をぼんやりさせる。ミホは時折目を上げて俺の表情を確認し、舌の動きを変える。速く、ゆっくり、根本まで、角度を変えて刺激する。五感すべてが研ぎ澄まされた。視覚ではミホの胸の重みと形、聴覚では濡れた音と抑えた吐息、触覚は舌と唇の湿った感触、嗅覚は彼女の香りと本の匂いの混ざり、味覚は彼女の唾液の甘さ。射精が近づくにつれ、ミホは動きを少し速め、喉の奥で俺を受け止める。熱い波が襲い、俺は腰を軽く引こうとしたが、ミホは頭を押さえるようにして飲み込んだ。静かな館内に、抑えられた低く長い吐息だけが残った。
ミホがゆっくり口を離し、唇を拭う。眼鏡が少しずれ、頰が赤い。「ごめんなさい、こんな……」と彼女が小声で言った。俺は彼女を引き寄せ、もう一度キスをした。唇に残る味が、行為の余韻を強くした。ミホの胸が再び俺の体に密着し、温かさと柔らかさが伝わってきた。彼女は「今日のことは、誰にも……」と囁き、俺も「もちろん」と答えた。時計の音が遠くで聞こえ、閉館後の静けさが二人を包んでいた。
書庫から出る際、ミホはいつもの司書の表情に戻っていたが、眼鏡の奥で俺を見上げる目が少しだけ熱を帯びていた。外に出ると春の夜風が肌を冷やし、さっきまでの熱がゆっくり引いていくのを感じた。俺はもう一度、今日の感覚を胸に刻みながら、図書館の階段を降りた。














































